記事を探す 寄付する 「だまってへんで、これからも」 ―生活保護引き下げの違法性認める最高裁勝訴から問われる「今後」 date2025.7.1
writer安田菜津紀
category取材レポート
tag#人権#差別#貧困・格差#政治・社会#日本
判決後、最高裁から出て門に向かってくる原告、弁護団。(安田菜津紀撮影) 2025年6月27日15時過ぎ、炎天下に集まっていた大勢の人々の一部から、拍手と歓声が聞こえてきた。どうやらニュース速報で、先に「結果」を知ったようだ。涙をこらえるような表情で、最高裁のガラス扉が開くのを、今か今かと見つめる支援者の姿もある。やがて弁護団と原告が、手を振りながら門に向かってきた。歩みがゆっくりの原告を待ち、9本の旗を並べた。
「逆転勝訴」 「保護費引下げの違法性認める」 「司法は生きていた」
生活保護基準引き下げの違法性を問う「いのちのとりで裁判」は、29都道府県で、千人を超える原告によって提起されていった。大阪訴訟(大阪高裁で原告敗訴)と愛知訴訟(名古屋高裁で原告勝訴)のふたつの裁判の統一判断として、最高裁は原告の訴えを認めたのだ。