生活保護訴訟 減額調整の政府方針巡り原告団が不服申し立て検討 435 コメント435件
12/9(火) 19:15配信
毎日新聞
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最高裁判決を受けた政府方針の撤回を求める訴訟の原告=東京都千代田区で2025年12月9日午後3時24分、肥沼直寛撮影
国が過去に実施した最大10%の生活保護費の減額処分を違法として取り消した最高裁判決の対応を巡り、訴訟の原告団と国の協議が9日、東京都内であった。政府が再度の減額調整をする方針を示したことについて、原告団は行政不服審査請求を申し立てる可能性を示した。
【図でわかる】生活保護で受給できる日常生活費と家賃の例(24年4月)
最高裁判決は、2013~15年の生活保護費のうち、食費や光熱費などに充てる「生活扶助」の基準額の算定で、物価の下落率を基にした「デフレ調整」が国の専門家部会に諮られていないなどとして違法とした。
これを受け厚生労働省は、適法とされた生活保護世帯と一般の低所得世帯の生活費を比べて見直す「ゆがみ調整」を再度実施し、デフレ調整(4・78%減)に代わり2・49%の減額調整を行う対応方針を決めた。訴訟の原告については負担に配慮し、新たな減額調整分を「特別給付金」として別途積み増して給付する。
この日の協議で原告側は改めて方針の撤回と、全ての受給者に改定前基準との差額の全額支給を求めた。
一方、国の対応について法学者らは「司法判断に従わない違法・違憲なものだ」などとする緊急声明を出した。井上英夫・金沢大名誉教授(社会保障法)らが呼びかけ人となり、123人の法学者が名を連ねた。
声明では、判決が引き下げ処分全体を取り消したにもかかわらず、再度の引き下げを行うことは憲法の三権分立の原則に違反すると批判。生活保護法の無差別平等の原理などから、「訴訟を提起したか否かにかかわらず、すべての生活保護受給者に改定前基準との差額を全額支給すべきだ」と指摘している。
原告団は申し立てに向けて意見交換した上で来月にも方針を決めるとしている。【肥沼直寛】