第6話「糸ぐるま」(脚本・勝新太郎・山田隆之、勝新太郎監督) 緒形拳、倍賞美津子、秋山勝俊、北見治一 1979年5月28日放映。 撮影は渡辺貢。
▼上納金を作るため、村の娘・おヨネ(倍賞美津子)が売られていく。村長(高原駿雄)が村人に払ったお金を、村人を斬り捨てて横取り、さらには村長も殺してしまった悪党たちを許しちゃならねえと市は仕込をふるった。市は悪党の頭領(緒方拳)の右足を切り落とした。 その後、市は宿場で遊女・おヨネと再会する。娘は亭主持ちだった。その亭主はあの悪党の頭領だった。足を洗って堅気の風呂焚きになっていた。おヨネとは薬売りをしていたときに出会ったのだと言う。市と再会した頭領は市に礼を言うほどだった。男はわがままな客に殴られるが、片足を失った不自由な身では耐えるしかなかった。 「俺、草鞋をはこうと思うんだ」と男は女に告白する。女「あきたの?」、男「・・・(そんなわけないじゃないか)・・・」。しかし、昔の悪党仲間(秋山勝俊)が十手持ちになって男を訪ねて来る。男の首には五十両の賞金がかけられていたのだ。捕縛されて囚人駕籠に乗せられていく男。茫然自失する女。 役人たちの行く道の途中に市が待っていた。市は「やくざが役人と一緒になっちゃいけねえ」と男を救出する。女は戻って来た男と固く抱きあう。 倍賞美津子は第16話にも登場。
春日太一『天才 勝新太郎』(文春新書、2010)より 195-196ページ 緒形と倍賞がゲストで来た時のこと。その夜は撮影所に見学に来ていた大親分の招きで、勝・緒形・倍賞の三人は祇園で飲むことになった。飲みながら興の乗って来た三人は、その場で即興の芝居を始めてしまう。最初はそれを親分も楽しそうに見ていたが、やがて三人は延々と芝居を続け、親分は完全に置いてきぼりに。気づけば、翌日に撮る芝居がその場で全て出来上がっていた。 撮影が長引き、緒形が何時間も待たされることもあった。 「今回は何日かかっても終りそうにありませんよ」 すまなそうに語りかけてくる真田に、緒形は笑顔で返す。 「ご安心ください。今回は来週一杯空けてありますから」 彼ら役者たちもまた、「勝一家」の一員になっていた。