特別企画 森村誠一サスペンス6 唄~人質の子供は帰らなかった完全犯罪と思われた怪事件の謎を解く鍵は!?昔から歌い継がれた唄に隠された真相は…
ヒントは、タイトルの通り、「唄」。子供が呟く数え歌が、祐介の心に何かしらのヒントを与える。しかも、白昼堂々と公園という人気の多い場所での誘拐と言う事件に、祐介の疑問は、捜査へのこだわりへと変わる…。あまり聞いたことのない数え歌を歌って、公園で遊んでいる子供、宮本洋一郎(浅野和之)、邦子(北原佐和子)夫妻の長男宮本操(今井悠貴)だ。その操が白昼、堂々と誘拐された。公園でアルバイトのベビーシッターが電話中というふとした隙を突いた時の犯行であった。捜査に向かったのは、世田谷西署の警部補、川合祐介(三浦友和)と、同刑事の平田克昭(河相我聞)だ。二人が宅配便のドライバーに変装して宮本家に潜入した時には既に、通信技師達と、警部の小暮涼子(野際陽子)が、電話の逆探知装置のセットを終えていた。祐介の到着後すぐに、電話が鳴る。父親の洋一郎が電話に出ると、ボイスチェンジャーを通した声で犯人は、翌日の一時に3000万円の身代金の受け渡しを要求する。宮本は、電話にすがるように、息子の声を聞かせてくれと頼むが、犯人は、今人形で遊んでいるので心配はいらないと告げる。不審に思った宮本は、つい、男なのに人形で遊んでいるのか聞き返すが、犯人はあわててむしろ言い分けとも取れるように、怪獣の人形だと告げて電話を切った。発信源が確認できないまでも、闇ルートのプリペイド式携帯電話でかけてきていることまでは何とかつかんだ。祐介がそんな緊迫した捜査をしているとき、もう一つ事件が起こっていた。それは、祐介の娘・美希(須藤温子)が事故に遭っていたのだ。病院から、離婚した妻の、白井美恵(原日出子)が祐介の携帯電話にかけたときは留守電。その留守電を祐介は、そんなやりとりの後に聞いたのだ。すぐに、美恵に電話をするが、仕事で抜けられないことを告げると、美恵は烈火のごとく怒り出す。娘が生死を彷徨っているときに仕事とは、離婚したときと一緒だと…。そう、祐介の離婚は、かつて娘が急病にもかかわらず、捜査という言い訳で家族を顧みず、仕事に没頭していたためであった。しかし、祐介は今回も、捜査を理由に、娘の病院には向かわなかった。そして、身代金の受け渡しの日がやってきた。犯人の携帯電話での誘導通り、東京の池袋、渋谷、と向かい、新宿の高層ビル群にやってきた宮本。もちろん、祐介ら刑事達が後を付けている。そして、犯人はあるホテルを指定する。そのホテルの指定の部屋にチェックインするよう指示が出る。宮本は指示通りその部屋に向かい祐介も後に続く。犯人は、指定した部屋の窓から身代金入りの鞄を投げるように指示、結果、下に落ちた鞄をまんまと犯人はさらっていったのだ。身代金は奪われた。このホテルの構造に詳しいものが容疑者であろうと、警察は、かつてこのホテルに勤務し、今は借金にまみれている、塚越正也(渡辺航)を犯人と断定する。ところが、彼を追い詰めたところで、奪ったバイクで逃走を図ろうとした際の事故で亡くなってしまう。塚越の死後、潜伏先などを当たった警察は、子供の気配がなかったことに疑問を感じる。そんな時、祐介は、最初の電話の際の、男の子なのに人形で遊んでいると言うことを思い出す。祐介は、塚越がつきあっている女を調べようとしていたとき、小暮からの命令で、娘の病院に行くように促されるのであった。小暮は、誘拐事件の最中に、祐介の娘が交通事故に遭っていたことを知り、公私ともに祐介を深く知るものとして、事故でも、誘拐でも子供を思う親の気持ちは一緒であろうと、とりあえず一度娘の所へ行くように促したのだった。【以上、TBS広報資料より引用】車輌:マエダオート。撮影協力:静岡県牧之原市、フィルムコミッション静岡シーサイト、大石生花店、榛原総合病院、首都大学東京、西さがみ連邦共和国FC、埼玉協同病院、東放学園専門学校、焼津市観光協会、倉田 和弥。【出典:ドラマ本体のクレジット表示より採録(採録:古崎康成)】