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2023-11-30 名古屋高裁減額違法判決

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NHK

30日の2審の判決で名古屋高等裁判所の長谷川恭弘裁判長は「国は支給額を引き下げる改定の際、学術的な裏付けや論理的な整合性を欠いた、厚生労働省独自の指数を用いて物価の下落率を算定するなどしており、厚生労働大臣の裁量権の範囲を逸脱していることは明らかで、生活保護法に違反し、違法だ」などと指摘しました。

そのうえで、「違法な改定を行った厚生労働大臣には重大な過失がある。過去に例のない大幅な生活扶助基準の引き下げで、影響は生活保護受給者にとって非常に重大であり、原告らはもともと余裕のある生活ではなかったところを、支給額の引き下げ以降、9年以上にわたり、さらに余裕のない生活を強いられ、引き下げを取り消しても精神的苦痛はなお残る」として、引き下げを取り消すとともに、国に対し、原告13人全員に慰謝料として1人当たり1万円の賠償を命じました。

原告の弁護団によりますと、同様の集団訴訟は全国29か所で起こされていますが、国に賠償を命じた判決は初めてです。

今回の裁判の主な争点 1つは、 ▽今回の生活保護支給額の基準の改定を行った厚生労働大臣の判断に裁量権の逸脱や乱用があるかです。

国は物価下落により、生活保護受給世帯の可処分所得が実質的に増加したため、生活扶助基準の引き上げがなされているのと同じ状態だとして、生活保護の支給額を引き下げて是正を図る必要があったなどと主張していました。

30日の判決では「生活保護受給世帯での支出割合が高い日常生活で、基本的な費用である食料などの費用は上昇しており、国が主張するような状態にあったと評価できない。国は物価下落率を算定する際に学術的な裏付けのない独自の指数を用いるなどしていて、統計などの客観的な数値との合理的関連性や専門的知見との整合性を欠くものだ」などと指摘し、裁量権の逸脱や乱用は明らかで、生活保護法に違反し、違法だと判断しました。

さらに、 ▽今回の基準の改定や支給額の引き下げが違法だと認められる場合、原告側が慰謝料として、国に求めた賠償が認められるかどうかも争点となりました。

原告の弁護団によりますと、同様の集団訴訟は全国29か所の裁判所で起こされていますが、支給額の引き下げが取り消されても、国に賠償を命じる判決はありませんでした。

これまでの判決では、「引き下げの取り消しで原告らの無念は晴れ、慰謝料を認めるまでの違法性はない」などと判断されたケースもあったということです。

30日の判決では「違法な改定を行った厚生労働大臣には重大な過失がある。過去に例のない大幅な生活扶助基準の引き下げで、影響は生活保護受給者にとって非常に重大であり、原告らはもともと余裕のある生活ではなかったところを、支給額の引き下げを受けて以降、9年以上にわたり、さらに余裕のない生活を強いられ、引き下げを取り消しても精神的苦痛はなお残る。生活扶助は国民の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を基礎とする制度で、本来、国はその向上と増進に努めなければならないものである」などとして、国に対し、原告13人全員に慰謝料として、1人当たり1万円の賠償を初めて命じました。

生活保護費引き下げで国に賠償命令 名古屋高裁 全国初 2023年11月30日 19時44分 愛知県 シェアするhelpxfacebookline 生活保護費を2013年から段階的に引き下げられ、最低限度に満たない生活状況を強いられているなどとして、愛知県内の受給者が国や自治体を訴えた裁判で、名古屋高等裁判所は引き下げを取り消すとともに、国に賠償を命じる判決を言い渡しました。原告の弁護団によりますと、同様の集団訴訟で国に賠償を命じた判決は初めてです。

生活保護の支給額について国は、当時の物価の下落などを反映する形で、2013年から2015年にかけて最大で10%引き下げました。

これについて、愛知県内の受給者13人が最低限度に満たない生活状況を強いられているなどとして、国に賠償を求めるとともに、自治体が行った支給額の引き下げを取り消すよう求め、3年前、1審の名古屋地方裁判所は「国の判断が違法だったとは言えない」として訴えを退けました。

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