公的年金の収入が400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下の人は確定申告の必要はありません
所得税・住民税には、「配偶者控除」をはじめ14種類の控除があり、申告するとその分、税額が低くなる。
年金生活者の場合、毎年秋に日本年金機構から送られてくる「扶養親族等申告書」に記入して返送すれば、「基礎控除」や「配偶者控除」「扶養控除」などを反映した税額が年金から源泉徴収される。
しかし、各種の「保険料控除」や「医療費控除」、「住宅ローン控除」、台風や豪雨などの自然災害で受けた家の損害金額などの「雑損控除」などがある場合は、申告しないと税金が戻ってこない。 では、どのくらいの税金が取り戻せるのか。夫婦2人暮らしで年金収入240万円(妻は国民年金)のAさんのケースで犬山氏に税額を試算してもらった(図参照)。
Aさん夫婦は自宅の地震保険料5万円、生命保険料を2人で8万円、ふるさと納税1万円、持病の治療のための医療費(薬代など)と通院の交通費(電車代など)を年間19万円支払っていた。
確定申告しない場合は、そうした控除は適用されずに所得税7000円、住民税3万円が課税(翌年に徴収)される。一方、確定申告して保険料や医療費などとして支払った額を申告すれば、所得税はゼロになって天引きされた7000円が全額還付され、翌年の住民税額も1万円に下がる。所得税・住民税合わせて2万7000円も安くすることができる。