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[[Movie/仁義なき戦い]]

*新仁義なき戦い [#f6895f4e]

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1950年(昭和25年)秋、広島県呉市の極道組織・山守組組員の三好万亀夫は、組の命令で対立組織の浅田組長を襲撃する。この事件で三好は懲役11年の刑にて服役。三好の服役の間に山守組は大きく成長するが、組内は組長・山守義雄と若頭・青木尚武とが対立し、幹部組員の難波茂春や坂上元もそれぞれの思惑で行動するようになる。山守と青木は刑務所の三好にそれぞれ面会を求め、互いに相手の中傷をして自陣営へ引き込もうと画策する。1959年(昭和34年)春、三好は仮出所。居住地を名古屋に制限された三好は、組から十分な待遇もなく、子分・北見登と一緒に山守の甥の建設会社(山守建設名古屋支店)に居候する。三好の放免祝いが開かれ、組幹部全員が出席するが、その席で青木は山守、難波、坂上と口論。こうした組の状況に三好は当惑する。数日後、青木の配下組員が広島市内で難波を殺害する。難波は青木を牽制するために広島の最大組織・海津組に接近を図っていた。青木は難波を殺害して難波の企みを潰すと同時に、青木自らが海津組長・海津卯之吉に取り入り、自分の後楯になってもらった。三好はこの事件に大きな衝撃を受け、青木に不信を募らせるが、一方で山守に対しても自分と青木の仲を裂き、あわよくば青木を殺害させようとする腹黒さに愛想が尽きていた。

翌年の新年、経済的に困窮し、数人の子分を養うにも事欠く状態になっていた三好に、青木は金銭的支援をしてやるので呉に来るよう電話をしてくる。青木が自分に危害を加えるのではないかと疑念を抱く三好は、青木の目を欺くため情婦の在日朝鮮人ホステス・中野恵子を伴って呉の青木宅へ出向く。青木は三好を歓待するが、恵子は三好の行動から自分が楯に使われている事を知り、三好と激しい口論をして去っていく。呉に滞在中、三好は、刑務所兄弟分で難波組の幹部の関勝と会う。親分・難波の仇討として青木を狙う関に対し、三好は自重するよう諭す。

青木は三好が自分に従わないと判断し、殺害することを企てる。これを事前に察知した三好は呉を脱出し四国・松山の緒方組に身を寄せる。さらに青木は親分・山守に圧力をかけ、無理やり引退に追いやった。そして難波組の跡目継承にも介入し、自分の意に沿う難波組若頭・野崎満州男を強引に難波組長に据え、これに反対する関を襲撃、重傷を負わせた。

山守は引退したが復権を虎視眈々と狙い、青木に面従腹背の組幹部・坂上元を動かす。坂上は、関の子分たちに青木への報復・殺害をそそのかす。坂上は三好にも接触し、青木暗殺に協力するよう求める。三好は山守の魂胆を見抜くが、自分の将来を考え青木暗殺を支援することを決める。

青木殺害の計画が決まったにもかかわらず、坂上はなかなか実行に移さない。しびれを切らせた三好は坂上を詰問。坂上は海津組が背後にいるので青木を殺害できないと言い訳をする。そこで三好は指を詰め海津にさし出し、青木の後楯を立ち切らせておいて、子分の北見を介して関の子分達に青木襲撃の策をさずけた。1959年(昭和34年)秋、青木の主催する興行開催の白昼、関の子分達が青木を襲撃。激しい銃撃戦の末、深手を負い、よろめきながら逃げようとする青木の目の前に、襲撃の傷が治らず松葉杖で体を支える関が突然現れる。命乞いする青木に対し、関は弾が尽きるまで拳銃を発射し、とどめを刺した。数日後、山守宅で祝盃があげられ、山守は三好を日本一の極道と称賛。かくて三好は山守組幹部として復権したのであった。

*出演 [#e031d30a]

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''山守組モデルは山村組''

-三好万亀夫 - 菅原文太:山守組幹部で物語の主人公。モデルは美能幸三。
-山守義雄 - 金子信雄:山守組々長。モデルは山村辰雄。
-山守利香 - 中原早苗:山守義雄の妻。モデルは山村邦香。
-坂上元 - 田中邦衛:山守組幹部。山守の腰巾着。モデルは樋上実。
-北見登 - 渡瀬恒彦:刑務所で三好の子分となる。出所後は青木組に身を寄せていたが、三人の子分を引き連れて三好の出所を待ち、三好に身を寄せる。
-風間 - 司裕介:北見の子分。
-金子 - 奈辺悟:小柄な北見の子分。
-落合 - 広瀬義宣:太った北見の子分。
-中野恵子 - 池玲子:三好の情婦。名古屋の朝鮮キャバレーのホステス。

''青木組''

-青木尚武 - 若山富三郎:山守組若頭。三好や難波の兄貴分。山守と反目。モデルは佐々木哲彦。
-青木文子 - 松尾和子:青木の妻。
-橋八郎 - 宍戸錠:山守組若衆。青木の弟分。三好とは五分の兄弟分。愛称「はっちゃん」。脳梅(梅毒患者ですでに梅毒性痴呆)を発症している。
-占部哲男 - 睦五郎:青木組若衆。
-工藤進 - 八名信夫:青木組若衆。難波を射殺。
-大石 - 佐藤京一:青木組組員。
-青木組組員 - 白井孝史、大木晤郎、白川浩二郎、松田利夫
-東尾ただし - 誠直也:青木組組員。工藤と共に難波を射殺するが殺される。
-東尾ただしの母 - 菅井きん

''難波組''

-難波茂春 - 中谷一郎:山守組幹部。モデルは野間範男。
-野崎満州男 - 室田日出男:難波組若頭。難波組の二代目となるべく青木の舎弟となる。モデルは岡崎義之。
-関勝 - 松方弘樹:難波組幹部。三好に刑務所で世話になり弟分になる。野崎とは五寸の間柄。モデルは門広。
-玉井 - 川谷拓三:関の子分。
-笹本 - 志賀勝:関の子分。
-鈴木 - 成瀬正孝:関の子分。
-上田 - 片桐竜次:関の子分。
-安本金悟 - 西田良:難波の子分。
-根岸 - 宮城幸生:難波の子分。
-野瀬 - 畑中伶一:難波の子分。
-難波の子分 - 池田謙治
-関の子分 - 木谷邦臣、大矢敬典、矢部義章

''山守建設:土木・建設・請負''

-山守健二 - 山城新伍:山守義雄の甥。堅気の名古屋支店長。
-前田久雄 - 国一太郎:名古屋支店次長。

''浅田組:モデルは土岡組''

-浅田広人 - 鈴木康広:浅田組々長。三好に撃たれる。モデルは土岡博。
-浅田の妻 - 丸平峰子
-海老原 - 松本泰郎

''海津組:モデルは岡組''

-海津卯之吉 - 安藤昇:広島の大親分。モデルは岡敏夫。
-天野秀造 - 守田学哉:海津組幹部。青木と兄弟分になる。モデルは網野光三郎。
-津上 - 高並功
-海津の若衆 - 阿波地大輔

''緒方組:松山の組''

-緒方正範 - 名和宏:二代目組長。
-緒方正義 - 内田朝雄:初代組長。(出演シーンカット)
-緒方組若衆A - 秋山勝俊
-緒方組若衆B - 汐路章

''その他''

-富田幸枝 - 橘真紀:ホステス。
-由美 - 小泉洋子:ホステス。
-娼婦 - 衣麻遼子
-ナレーター - 酒井哲

''ノンクレジット''

-青木組組員:藤長照夫
-看守:小峰一男
-ボーイ:藤沢徹夫
-子分:北川俊夫、福本清三
-刑事:波多野博
-壺振り:疋田泰盛


*スタッフ [#accc2278]
-企画:日下部五朗
-原作:飯干晃一
-脚本:神波史男、荒井美三雄
-撮影:吉田貞次
-照明:中山治雄
-録音:溝口正義
-美術:雨森義充
-音楽:津島利章
-編集:宮本信太郎
-助監督:藤原敏之
-記録:田中美佐江
-装置:吉岡茂一
-装飾:松原邦四郎
-背景:西村和比古
-美粧結髪:東和美粧
-スチール:中山健司
-衣装:岩道保
-演技事務:西秋節生
-擬斗:上野隆三
-進行主任:上田正直
-監督:深作欣二

*Add [#ebeb4cd1]
組織がある限り、親分が権力をふるう限り、暴力は絶え間なく続く...。前五部作に引き続き、リアリズムタッチを基調にしながら、より一層の人間個々を深く抉り、より克明にヤクザ社会を描き出す。昭和34年の約1年間の山守組内戦にスポットを当てる。財力と暴力で呉を席巻してきた若頭・青木に組長の座を追われる親分・山守は、仮出所する三好に青木暗殺を促すが、三好の野望はそれとは別個に阿修羅となって、打倒青木へと燃え上がっていく。これを察知した青木は三好襲撃へと暗躍する。殺るか殺られるか、面従腹背、計算された醜い駆け引き、そして壮絶な死斗として果てしなく展開される。

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