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*眼の壁 [#f0fbcdb1]

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奥湯河原の山中で、昭和電業の会計課長・関野が縊死していた。--関野の部下・会計課次長の萩崎竜雄は、残された遺書から、関野の自殺が給料支払のための金融工作でパクリ屋一味の詐欺にかかって手形を奪われた責任をとったのだと知った。関野は堀口というパクリ屋を高利貸・山杉商事から紹介されていた。萩崎は客になりすまして、山杉商事を訪ねた。秘書の上崎絵津子という美人がいた。萩崎が見張っていると、絵津子は車で出かけ、荻窪の舟坂と表札のある邸に入った。萩崎は新聞社の友人・田村満吉を訪ね、舟坂英明が政界の黒幕的存在であることを知る。その愛人の開いている、銀座のバー“レッド・ムーン”で萩崎は田丸という男と知りった。その時、絵津子が白髪の紳士と現れた。彼らを追おうとした萩崎は、待ち伏せた暴漢に袋叩きになった。田村の調べで、例の老紳士が代議士の岩尾であることが判った。岩尾の名刺が詐欺の舞台になった東洋相互銀行の応接室借用に使われていた。岩尾は何も知らぬと云った。萩崎と田村は舟坂をも訪ねたが、山崎という事務長に追返された。萩崎は会社の顧問弁護士・瀬川から「危険なことに手を出すな」と警告された。深夜の青線で、“レッド・ムーン”のバーテン山本が田丸を射殺してしまった。萩崎は絵津子が羽田で人を送ったと知ると、乗客名簿を調べ、山本が名古屋へ飛んだことをつきとめる。殺された田丸は元刑事で、瀬川弁護士の法律事務所員だった。瀬川がそのお通夜の席から行方不明になり、中央アルプスの山中で、死体となって発見された。田丸と同じように、パクリ屋の正体をつきとめたために舟坂一味に消されたのだ。萩崎は山本を追って瑞穂の町へ来た。田村は二見ガ浦へ舟坂を追って行った。萩崎は瑞穂の郵便局に絵津子が現れたのと一足違いだった。彼女は山本のために舟坂の送金を受取りにきたらしかった。東京の彼女のアパートを訪ねた萩崎は、彼女を問いただし、挙句、二人は抱き合う。彼女は「探さないで」と云い残して去る。警察は拳銃の線から正攻法で犯人山本を割出した。萩崎は山本の故郷・長野の牧口村へ行く。戸籍を調べると、絵津子はどうも山本の妹らしい。山本が附近の沼で死体になっていた。警察は三カ月前の自殺と判断した。舟坂が伊勢から消えた。--萩崎は舟坂が山本・絵津子兄妹の従兄・高橋であり、山本を硫酸で溶かしたのだと推定した。兄妹は両親亡きあと、高橋に引きとられたのだ。萩崎は土地にある精神病院に高橋の幼友達を連れて行く。山崎が出て来て、舟坂は病気だと云った。が、幼友達が彼を舟坂その人と見破った。絵津子も来ていた。舟坂は逃げ、硫酸のタンクに飛びこみ、溶けてしまう。--萩崎と絵津子は再び結ばれた。

眼の壁

製作=松竹(大船撮影所) 

1958/10/15 

11巻 2,613m 95分 白黒 松竹グランドスコープ

-製作:小松秀雄
-監督:大庭秀雄
-脚本:高岩肇
-原作:松本清張
-撮影:厚田雄春
-音楽:池田正義
-美術:芳野尹孝
-録音:吉田庄太郎
-照明:青松明
-編集:浜村義康
-出演:佐田啓二 鳳八千代 高野真二 朝丘雪路 渡辺文雄

*キャスト [#x342ed30]
-佐田啓二(萩崎竜雄)
-鳳八千代(上崎絵津子)
-高野真二(田村満吉)
-朝丘雪路(永井章子) ==原作にない
-織田政雄(関野徳一郎課長)
-宇佐美淳也(舟坂英明・山崎事務長)
-渡辺文雄(山本一夫・黒池健吉)
-西村晃(瀬川弁護士)
-多々良純(元刑事・田丸利市)
-山路義人(岩尾輝輔・岩尾輝次)
-三谷幸子(マダム・梅井淳子)
-左卜全(加藤大六郎)
-三津田健(昭和電業社長)
-永井智雄(加賀専務)
-十朱久雄(常務)
-小林十九二(伊勢通信員・青山)
-富田仲次郎(里村捜査一課長)
-紫千代(レッドムーン女給・正美)
-永井達郎(渡辺) 
-佐竹明夫(記者・辻)
-福岡正剛(記者・内野)
-稲川善一(東洋相互銀行次長)
-松野日出夫(東洋相互銀行員)
-小瀬朗(青年)
-木村天竜(山形)
-土紀洋児(東毎新聞社会部次長)
-遠山文雄(役場の吏員)
-高木信夫(郵便局長)
-井上正彦(バーの客)
-桜井研二(バーテン)
-人見修、長谷部朋香、清水幹世(明和電業の社員)
-大津絢子(女給・ルミ)
-水上令子(たまえの女将)
-本橋和子(掃除婦)
-大塚君代(宿屋の女将)
-村上紀代(宿屋の女中)
-志賀真津子(瀬戸物屋の女将)
-伊久美愛子(郵便局員)
-町田祥子(バスの車掌)
-佐谷ひろ子(スチュワーデス)

*スタッフ [#r3d4bc63]
-製作:小松秀雄
-監督:大庭秀雄
-脚本:高岩肇
-撮影:厚田雄春
-音楽:池田正義
-美術:芳野尹孝
-録音:吉田庄太郎
-照明:青松明
-編集:浜村義康
-監督助手:萩原徳三
-撮影助手:川又昮


*Add [#d21e1a32]

「村の端に小さい皮革工場がある」「横尾というところは、付近でも貧農で知られた村なんだ。音次は、その貧しさに耐えかねて、村を飛び出したのだ。なにしろ地方では貧困な農家にたいして、因襲的に蔑視の念が強いからね」

松本はまた、本作をめぐり部落解放同盟幹部に50万円支払ったと発言



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