#author("2023-11-28T21:44:01+09:00","","")
#author("2023-11-28T22:08:37+09:00","","")
[[TV/北の国から]]

*'89帰郷〜 [#qf4f2ac3]

北の国から '89帰郷

1988年、秋。始発で旭川の定時制看護学校に通い、日中は病院で甲斐甲斐しく働く螢。悩み多き日々の中で、螢に初恋が訪れた。相手は同じく始発に乗っている浪人生の勇次だった。ささやかなデートの日々。しかし互いの進学・就職によって、別れが来ることは分かっていた。二人は勇次の故郷を訪れ、悲しい現実に抗うかのように、キスをする。勇次は木に二人のイニシャルを刻む。こらえきれず涙を流す螢。さまざまな現実と向き合いつつ戴帽式を迎えた螢は、純に手紙を送るのだった。

純は、東京に飲み込まれるような暮らしをしていた。髪を赤く染め、夜はバイクを乗り回す。同世代の友人たちに追いつこうともがいていたのだ。昼間の仕事も長続きせず、今は工場で働いていた。ある日、純は職場の友人・アカマンから、工場の先輩・水谷への借金、沖縄の家族の病気のことを打ち明けられる。家族を思う言葉が純の胸を刺す。富良野を出る時のあの泥のついた一万円札二枚は、純のお守りになっていた。そんな純は、友人・エリの兄のつてで400ccのバイクを手に入れる。ところがそのバイクが盗難車だったことから警察の聴取を受ける。同じく事情聴取された水谷は、純への怒りを隠さない。気まずい工場の更衣室。純は、お守りの一万円札がなくなっていることに気付き激しく動揺する。アカマンが「少し借りて水谷に渡した」と告白するが、皆のロッカーを漁った純を水谷は純を殴打する。一方的に殴られた純は、バールのようなものを手に、水谷を殴り倒すのだった。警察から戻った純を、雪子の夫・利彦が責める。「理由は聞いてくれないの?」と繰り返す純は家を飛び出し、己の拳を激しく電柱に打ち付けるのだった。翌日、純は工場をクビになった。訪ねてきたのはエリだった。事情を聞き、水谷から一万円札を取り返して来たのだ。使われたもう一枚を探すため、店から店へと歩き回るエリの姿に、純は心を打たれる。暗い部屋に戻り、故郷を思う純。その富良野では、五郎に純の傷害事件の報が入っていた。五郎は動揺を抑え、いつものように螢を駅で迎え帰宅するが、誰もいないはずの小屋に向かい、足跡が。玄関に入った五郎の目に飛び込んでくる脱ぎ捨てられたジャンパー。階段を駆け上る五郎。そこには、拳を怪我した純が丸まって眠っていた。

目覚めた時、階下には歴代の番長たちが揃っていた。純はたちまち捕まり頭を黒く染められる。嵐のように去っていく番長連を見送り、黒い髪をうれしそうに触る純。そして五郎が再び丸太小屋作りに挑戦していることを知り、作業現場へと向かう。何度も頭を下げる純を、五郎は笑顔で迎え入れるのだった。不意に五郎が「螢が恋をしているらしい」とうれしそうに言う。その後「あいつも来年、ウチを出て行く」とも。しかし、それでも優しい父の表情。二人は夜の列車に螢の恋人を見に行くが、螢は一人だった。勇次との別れが決まったのだ。気丈に振る舞う螢だが、父からの温泉の誘いに「行けない。あの人が行っちゃうの」と答えるのが精いっぱいだった。その夜、純は螢に父の丸太小屋に全員の部屋があることを言う。そこでも螢は「その話されると私泣いちゃうから」と押し殺すように答えるのだった。勇次の出発の日。螢がプレゼントをそっとベンチに置く。浪人生の勇次は家族の手前、一人でベンチに駆け寄り、包みを拾う。そして代わりに手紙を残す。こうして勇次は去っていった。彼からの手紙には、故郷でのデートを思い返すように見たという夢の話が書かれていた。帰宅した螢は二階に駆け上がり、声を殺して泣くのだった。その夜、純は五郎の風呂に薪をくべながら、事件のことを告白していた。理由を問われ「大事なものをそいつに取られたから」と答える。「それは人を怪我さすほど、大事な物だったのか。なら、仕方がないじゃないか。男は誰だって、何と言われても闘わなきゃいかんときがある」。それが父の答えだった。そして富良野に戻りたいとこぼす純に、五郎は巣立ちを促すかのように優しくエールを送る。螢が飛び出してきたのは、その時だった。螢が持つラジオから流れてきたのは、札幌にいるれいからのリクエスト曲、二人の思い出の曲だった。純は急ぎ、札幌に向かう。ついに二人は再会し、かつてれいが語った天窓のある喫茶店へと行くのだった。会話の中で、幼い頃を思い出す。だらしないと思っていた父の強さを、父が一人で背負ってきたものを、思い返す。ふと、れいの手が純の傷に触れる。やがて二人はだまって駅へと向かう。それが、正月の出来事だった。

――思い出を酒場で語る五郎は、ひどく酔っていた。隣り合わせた観光客に絡んでいく。東京にいる純のこと、死に別れた令子、旭川へ移っていった螢のこと。その言葉に自慢と寂しさが交錯する。そんな五郎の姿に中畑は涙を堪えきれず、五郎を担ぐようにして店を出る。二人は、雪に煙る路地を、もつれるように歩いて行った。


北の国から'89帰郷

スペシャル第4弾。見習い看護婦の蛍(中嶋朋子)が想いを寄せる予備校生役で緒形直人が今回から登場。純(吉岡秀隆)は東京で働きながら定時制高校に通っている。ところが二度、三度と職を変え、バイク仲間に加わり髪まで赤く染める始末。北海道・富良野では父・五郎(田中邦衛)が一人暮らしのための丸太小屋づくりを続けていた。協力:北海道富良野市、北海道文化放送、富良野プリンスホテル、札幌プリンスホテル、日本エアシステム、北海道旅客鉄道、旭川医師会看護専門学校、旭川武田病院。【出典:ドラマ本体のクレジット表示より採録(採録:古崎康成)】【参考文献:WEBサイト(ブログ)「昔の事・今の事」(2019/09/13閲覧、ttp://old.hatenadiary.com/)】
キー局	CX	放送曜日	金	放送期間	1989/03/31~1989/03/31

-CX	放送曜日	金	放送期間	1989/03/31~1989/03/31
放送時間	21:04-23:37	放送回数	1 回	連続/単発	単発
番組名	ドラマスペシャル
主な出演	田中 邦衛、吉岡 秀隆、中嶋 朋子、竹下 景子、岩城 滉一、村井 国夫、ガッツ石松、井川比佐志、地井 武男、緒形 直人、横山めぐみ、美保  純、洞口 依子、清水まゆみ、布施  博、正司 照枝、樋浦  勉、古本新之輔、矢野 泰二、久保  晶、宮城健太郎、永堀 剛敏、南雲 勇助、水上 功治、大場 朋之、今野 照子、五月 晴子、渕野 俊太、水木 寛子、中沢 敦子、木村  翠、芦沢 孝子、岩城 正剛、小林 秀治、舛井 正博、松永ヒサ子、佐久間 哲、桂島 宏樹、鶴田 史郎、田中  基、黒島かおる、きゃんみゆき、小河麻衣子、大倉 順憲、安威 宗治、菊川 予市、児玉 頼信、三田 恵子、船戸 健行(クレジット表示なし)、麓郷小学校の皆さん
主な脚本	倉本  聰(倉本  聡)
主なプロデューサ	(プロデュース:山田 良明)(プロデューサー補:森井 勝美、笹本  泉)(写真:島田 和之)
主な演出	杉田 成道、(演出補:小椋 久雄、石田  周(クレジット表示なし))(記録:石塚多恵子)
局系列	FNN
制作会社	(制作著作:CX)
制作	(制作主任:佐々木 享)
音楽	さだまさし、渡辺 俊幸、(音響効果:篠沢 紀雄)
主題歌	(さだまさし)
撮影技術	竹越 由幸、(技術:堀田 満之)(照明:本間 利明、河島 美晃)(音声:西田 貞雄)(映像:橋本 和司)(録画:佐藤 光雄)(編集:小泉 義明、石井 和男)
ビデオ	フジテレビ/ポニーキャニオン
-出演	田中 邦衛、吉岡 秀隆、中嶋 朋子、竹下 景子、岩城 滉一、村井 国夫、ガッツ石松、井川比佐志、地井 武男、緒形 直人、横山めぐみ、美保  純、洞口 依子、清水まゆみ、布施  博、正司 照枝、樋浦  勉、古本新之輔、矢野 泰二、久保  晶、宮城健太郎、永堀 剛敏、南雲 勇助、水上 功治、大場 朋之、今野 照子、五月 晴子、渕野 俊太、水木 寛子、中沢 敦子、木村  翠、芦沢 孝子、岩城 正剛、小林 秀治、舛井 正博、松永ヒサ子、佐久間 哲、桂島 宏樹、鶴田 史郎、田中  基、黒島かおる、きゃんみゆき、小河麻衣子、大倉 順憲、安威 宗治、菊川 予市、児玉 頼信、三田 恵子、船戸 健行(クレジット表示なし)、麓郷小学校の皆さん
-脚本	倉本  聰(倉本  聡)
-プロデューサ	(プロデュース:山田 良明)(プロデューサー補:森井 勝美、笹本  泉)(写真:島田 和之)
-演出	杉田 成道、(演出補:小椋 久雄、石田  周(クレジット表示なし))(記録:石塚多恵子)
-局系列	FNN
-制作会社	(制作著作:CX)
-制作	(制作主任:佐々木 享)
-音楽	さだまさし、渡辺 俊幸、(音響効果:篠沢 紀雄)
-主題歌	(さだまさし)
-撮影技術	竹越 由幸、(技術:堀田 満之)(照明:本間 利明、河島 美晃)(音声:西田 貞雄)(映像:橋本 和司)(録画:佐藤 光雄)(編集:小泉 義明、石井 和男)
-ビデオ	フジテレビ/ポニーキャニオン

美術	根本 研二、(美術プロデュース:松尾 嘉之)(美術進行:梅田 正則)(大道具:内田 幸男)(装飾:内村 和裕)(持道具:梅沢  博)(視覚効果:中山 信男)(衣裳:萱田 典弘)(メイク:塩澤 純子)(タイトル:川崎 利治)
-美術	根本 研二、(美術プロデュース:松尾 嘉之)(美術進行:梅田 正則)(大道具:内田 幸男)(装飾:内村 和裕)(持道具:梅沢  博)(視覚効果:中山 信男)(衣裳:萱田 典弘)(メイク:塩澤 純子)(タイトル:川崎 利治)

#br

トップ   編集 差分 履歴 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS