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事件の容疑者として逮捕されたのが、ネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリさん(当時30)だった。 この事件で、犯人と結びつくのは、体液以外に巣鴨で見つかった女性の定期券だ。報道などによれば巣鴨は女性の通勤経路から外れていて、まったく土地勘のない場所だ。定期券が発見されたのは、殺害されてから4日後の3月12日の午前中のことで、とある民家の庭先に落ちていた。
この民家は、土地勘のある人物でなければ、来ることはない細い路地の奥にある。発見者の女性が貴重な証言をしてくれた。
「朝、花に水やりをしていたら、壁際に、黒い定期入れが落ちていたんだよ。名前を見たらカタカナでワタナベと書いてあったんだ。近所にワタナベなんて名前の人はいないから、警察に届けたんだよね。水やりは毎日の日課でね。前の日は定期券なんてなかったよ。酔っぱらいが間違って捨てていったんじゃないかと思っていたら、まさかこんな大きな事件に関係あるとは思わなかったよ」
「こっちが知りたいぐらいですが、女性が殺された部屋は一時期、ネパール人が借りようとしていたことがありましたからね。そのネットワークの中に犯人がいると思っているんじゃないでしょうか。私のところだけじゃなくて、被害者の定期券が見つかった巣鴨の辺りに暮らしているネパール人のところにも聞き込みに来ているそうですよ。日本は好きな国なんですけど、警察のやっていることは理解に苦しみますね」
日ゲ (ルポライター・八木澤高明)