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絶望の裁判所

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内容

 第1章 私が裁判官をやめた理由(わけ)  ――自由主義者、学者まで排除する組織の構造

 第2章 最高裁判事の隠された素顔  ――表の顔と裏の顔を巧みに使い分ける権謀術数の策士たち

 第3章「檻」の中の裁判官たち  ――精神的「収容所群島」の囚人たち

 第4章 誰のため、何のための裁判?  ――あなたの権利と自由を守らない日本の裁判所

 第5章 心のゆがんだ人々  ――裁判官の不祥事とハラスメント、裁判官の精神構造とその病理

 第6章 今こそ司法を国民、市民のものに――司法制度改革の無効化、悪用と法曹一元制度実現の必要性

概論

極秘の作業を知る  そんな瀬木さんがなぜコースを外れて、本書などを書くことになったのか。  一つには最高裁の事務総局民事局時代の体験がある。当時は裁判官支配、統制を徹底したといわれる矢口洪一最高裁長官の時代。極秘裏にある調査が行われていたことを知る。特定の期間に全国の裁判所で判決が下された国家賠償請求事件について、関与した裁判官の氏名と、判決主文の内容を一覧表にしていた。何らかの形で人事の参考に供されているのではないかと不明朗さを感じた。

 東京地裁にいたときは、国が債権者(申立人)となる仮処分決定事件で奇怪な動きを知った。国(法務省)が事前に、秘密裏に、裁判所に対してその可否、可能ならどのような申し立てを行えばよいのかを事実上問い合わせ、未だ仮処分の申し立てすらない時点で、かなりの数の裁判官が知恵を絞っていた。国と裁判所による一種の事前談合行為だ。

 瀬木さんが繰り返すのは、裁判官というのは今や「裁判を行っている官僚」「法衣を着た役人」だらけになっているという寂しい現実だ。いわゆる良識派は、地裁の所長か高裁の裁判官どまり。

 最高裁は石田和外長官(任期は1969~73)の時代に締め付けを強め、ブルーパージを推進。矢口長官時代(同1985~90)に保守化を完成、さらに竹崎博允体制(同2008~14)の下で事務総局支配、上命下服、上意下達の思想統制と異分子排除のシステムが確立したとみる。


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Last-modified: 2020-03-11 (水) 00:00:00