contents†
- 千姫(せんひめ)
- 安土桃山時代から江戸時代
- 生誕 慶長2年04月11日(1597年05月26日)
山城国伏見城(現 京都市伏見区)
- 死没 寛文06年02月06日(1666年03月11日)享年70
江戸(現 東京都)
- 夫:1603<7歳>-豊臣秀頼→1616-1626 本多忠刻の正室
- 子供: 勝姫、幸千代/養子:天秀尼、徳川綱重
- 父:徳川秀忠、母:継室のお江与(お江)
演じた女優たち†
Movie
TV
Novels
Works†
- 慶長20年(1615年)の大坂夏の陣:祖父・徳川家康の命により落城する大坂城から救出
- 1616 津和野藩主・坂崎直盛が輿入れの行列を襲って千姫を強奪する計画.直盛は家臣により殺害、直盛が自害したように見せかけた.坂崎家は改易処分(千姫事件)
- 豊臣秀頼と側室の間に生まれた娘・天秀尼の助命嘆願(秀頼と淀殿に対する助命嘆願は聞き届けられなかった)天秀尼は後に「縁切り寺」東慶寺住職
- 江戸時代に『吉田御殿』(あるいは『千姫御殿』)[の伝承.夜な夜な美男を招き入れては殺す千姫像(錦絵や浪曲)
千姫登場作品
Movie
- 千姫御殿 (1948年・大映 演:花柳小菊)
- 千姫 (1953年・宝塚映画 演:浅茅しのぶ)
- 千姫 (1954年・大映 演:京マチ子)
- 彦左と太助 殴り込み吉田御殿 (1955年・東映 演:喜多川千鶴)
- 千姫御殿 (1960年・大映 演:山本富士子)
- 真田風雲録 (1963年・東映 演:本間千代子)
- くノ一忍法 (1964年・東映 演:野川由美子)
- くノ一忍法帖 柳生外伝 (1998年・キングレコード=東北新社 演:白島靖代)
- 茶々 天涯の貴妃 (2007年・東映 演:谷村美月)
TV
- 血槍坂崎 (1959年・日本テレビ 演:扇千景)
- 坂崎出羽守 (1960年・テレビ朝日 演:高田敏江)
- 千姫 (1960年・朝日放送 演:冨士眞奈美)
- 坂崎出羽守 (1964年・NHK 演:花園ひろみ)
- 真田幸村 (1966年・TBS 演:恵とも子)
- 千姫 (1966年・毎日放送 演:藤村志保)
- 戦国艶物語 (1969年・朝日放送 演:星由里子)
- 徳川秀忠の妻 (1969年・フジテレビ 演:上原ゆかり)
- 大坂城の女 (1970年・関西テレビ 演:宇都宮雅代)
- 江戸巷談・花の日本橋 (男一匹・一心太助)(1971年・関西テレビ 演:弓恵子)
- 春の坂道 (1971年・NHK大河ドラマ 演:木村菜穂)
- 忍法かげろう斬り (1972年・関西テレビ 演:村松英子)
- 落城の舞い (1972年・フジテレビ 演:松木聖)
- 運命峠 (1974年・関西テレビ 演:三田和代)
- 徳川三国志 (1975年・テレビ朝日 演:高田美和)
- 柳生一族の陰謀 (1978年・関西テレビ 演:酒井和歌子)
- おんな太閤記 (1981年・NHK大河ドラマ 演:高見知佳)
- 千姫春秋記 (1981年・読売テレビ 演:多岐川裕美)
- 戦国の女たち (1982年・フジテレビ 演:大場久美子)
- 柳生新陰流 (1982年・テレビ東京 演:山本みどり)
- 大奥 (1983年・関西テレビ 演:三原順子(千姫)・加藤治子(天樹院)
- 女たちの大坂城 (1983年・読売テレビ 演:古手川祐子)
- 長七郎江戸日記(第1部) (1983年・日本テレビ 演:小畠絹子)
- 徳川家康 (1983年・NHK大河ドラマ 演:石原真理子)
- 真田太平記 (1985年・NHK 演:工藤夕貴)
- 独眼竜政宗 (1987年・NHK大河ドラマ 演:伊藤麻衣子)
- 野風の笛 (1987年・日本テレビ 演:高木美保)
- 長七郎江戸日記(第2部) (1988年・日本テレビ 演:斉藤絵里・久我美子)
- 春日局 (1989年・NHK大河ドラマ 演:野村真美)
- 風雲!真田幸村 (1989年・テレビ東京 演:高橋かおり)
- 柳生十兵衛 (1990年・TBS 演:かとうかずこ)
- 徳川無頼帳 (1992年・テレビ東京 演:野村真美)
- 徳川武芸帳 柳生三代の剣 (1993/01/02・テレビ東京 12:00-23:54 小川敦子)
- 姫将軍大あばれ (1995年・テレビ東京 演:山本みどり)
- 家康が最も恐れた男 真田幸村 (1998年・テレビ東京 演:遠山景織子)
- 葵 徳川三代 (2000年・NHK大河ドラマ 演:大河内奈々子)
- 武蔵 MUSASHI (2003年・NHK大河ドラマ 演:橋本愛実)
- 江~姫たちの戦国~ (2011年・NHK大河ドラマ 演:芦田愛菜・忽那汐里)
- 影武者徳川家康 (2014年・テレビ東京 演:寺下怜見)
- 真田丸 (2016年・NHK大河ドラマ 演:永野芽郁)
Add†
最終的には忠刻への再嫁が決まった。本多家は徳川にとって最古参の譜代であるし、忠政の妻は千姫と同じ家康の孫娘である熊姫(ゆうひめ)だ。
徳川家とつながるために千姫を欲しがる家はいくらでもあったのだ。それなのに、なぜ忠刻に決まったのか。
それは、千姫の意志が強く働いた結果だった。実は千姫、大坂から江戸に戻る道中を護衛していた忠刻に一目惚れしたというのだ。忠刻は音に聞こえた好男子だったらしい。傷心中のウブな姫が恋に落ちてもおかしくない。そして、その心中を知った家康が、哀れな孫娘のために、身内の反対を押し切って想いを叶えてやったのだとまことしやかに伝わっている。
城に移った翌年、待望の第一子となる長女、さらにまた翌年には嫡子となる長男が生まれた。
将来の城主夫人として数多いる家臣や侍女にかしずかれ、愛する夫とかわいい我が子に囲まれる生活。おそらく、千姫の生涯の中でもっとも幸せだったはこの時期だろう。
だが、それも長くは続かなかった。
元和7年(1621)に長男がわずか3歳のかわいい盛りに死んでしまったのだ。さらに、その死が前夫・豊臣秀頼の祟りと噂され、千姫は恐れ慄いた。乱世の理とはいえ、一人生き残り幸せになってしまった自分を思えば、豊臣家への後ろめたさが沸き立つのは抑えられなかった。そこで、千姫は秀頼の霊が鎮まってくれるよう、城の北西にある男山に天満宮を建立することにしたのだ。
しかし、千姫の願いも虚しく、一家を次々と不幸が襲う。寛永元年(1624)には義父・忠政と忠刻が相次いで病に倒れた。この時は幸い二人とも快復したが、その翌々年には忠刻が再び寝付き、そのまま31歳の若さで亡くなってしまった。さらにその二ヶ月後には姑・熊姫まで息子の後を追うように世を去ったのだ。
ようやく得た幸せは、たった10年で崩れ去ってしまったのである。
墓は江戸の傳通院、命を助けた秀頼の遺児が尼門跡となった茨城の天樹院弘経寺、そして京都の知恩院にある。
(豊臣秀頼の正妻、千姫。姫路城に住んだ女の恋と悲劇
門賀美央子)