Movie

九人の死刑囚

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1957/11/12

製作=日活    10巻 2,627m 96分 白黒 日活スコープ

元ボートレース選手村岡修は死刑の判決をうけ、獄に下った。裁判で、彼は二万円の遊興費欲しさに、二人のひとを殺したといった。事実は、恋人美奈子のために、競艇のボス大野に借金を申し込み、その無法な態度にカッとし、殺してしまったのだ。美奈子は“遊興費欲しさ”という動機に疑問を持ち、彼の減刑運動を始めた。拘置所で修はさまざまな死刑囚と知り合った。皆、善人ばかりだ。嬰児殺し根本老人は、点字翻訳をしながら静かに処刑の日を待っていた。身寄のない佐藤は雀に愛情を注いでいた。バルさんは無罪を主張し法律を研究していた。川波は唯一人の姉の結婚を祈っていた。土地を奪われたので人を殺した元百姓石塚は、妻子のことを心配していた。獰猛な高崎は脱獄のことばかり考えていた。中村は拘禁性精神病者だ。北野青年は絶えず死の影におびえていた。いや、九人全部が、「午前十時」を恐れていた。--ここでは、朝十時に死刑執行が言い渡される。ある日、佐藤に迎えがきた。彼は隣房の修に雀の世話を頼み立去った。修の唯一の肉親、祖父が面会にき、罵倒して行った。美奈子から頼まれた田所弁護士も面会にきたが、修は頑固に口をつぐんでいた。根本老人の処刑の前日、盲目の少年少女が点字のお礼に面会にきた。「おじさん、面白かった。もっとたくさん本つくってね。」頷く老人の眼に涙があふれた。報いられたのだ。川波は姉の結婚を告げられた翌日、姉の幸福を妨げまいと自殺した。ショックを受けた修と石塚は嵐の夜、脱獄を計ったが失敗した。彼の最後の公判で、美奈子の真情にうたれた岸田が修に有利な新事実を証言した。大野未亡人も減刑を願い出た。数日後、仲間と美奈子に見送られ、修は拘置所を移った。--無期懲役囚として。

キャスト

スタッフ

製作 大塚和 脚本 片岡薫 、 佐治乾 監督 古川卓巳 撮影 中尾利太郎 音楽 佐藤勝 美術 木村威夫 照明 高島正博 録音 米津次男 編集 辻井正則


添付ファイル: fileks.png 10件 [詳細]

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Last-modified: 2020-10-13 (火) 17:18:00