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鷲と鷹†
鷲と鷹
深夜の波止場で、貨物船「海洋丸」の機関長が殺された。シンガポールで買ったナイフで刺されたことだけ判った。出航間際二人の新入りが乗込んでくる。「陸のあばれ者」千吉と佐々木である。もう一人、鬼の鮫川船長の一人娘明子も、一人では淋しいと船長室に泊ることにする。佐々木は目つきが鋭く、千吉はふてぶてしい男だ。その態度に怒った狂暴な松は、ナイフを光らせて突きかかる。佐々木の仲裁で喧嘩が収った時、甲板で女の密航者朱実が捕まった。彼女は惚れた千吉を追ってきたのだ。清純な明子もいつしか男らしい千吉に魅かれていく。ある夜、朱実は松に襲われるが、千吉が救い、松を完全にノス。朱実の持っていた一枚の新聞から船長は機関長殺しの犯人は千吉だときめつける。機関長の息子吾郎は船長から親の仇を打てとそそのかされるが、その気にならぬ。千吉に殺人の理由をきくと--二十年前海洋丸を買った三人(船長、吾郎の父、千吉の父)が仲間割れし千吉の父が他の二人に殺されたからだという。今度は船長だ。吾郎は復讐の無意味さを説くが、千吉は納得できぬ。が、明子の明るい姿に接するうち、次第に千吉の荒んだ心も和らぐ。復讐の誓もグラつき始めた。朱実は千吉と明子の間を嫉妬し、猟銃で狙うがどうしても撃てなかった。そんなある日、船荷が全部ニセ荷であることが判明する。船長の航海サギだ。嵐の夜、激浪に呑まれた吾郎と佐々木は千吉に救われたが、船長は水死<<クレーン事故死>>した。千吉は実は刑事の佐々木に自首を誓うが、船が門司に着いた時、佐々木は千吉と朱実を二人だけで降りて行かせる。甲板では明子が涙で見送っていた。
- 13巻 3,154m カラー 日活スコープ
- 製作 ................ 坂上静翁
- 監督 ................ 井上梅次
- 助監督 ................ 舛田利雄
- 脚本 ................ 井上梅次
- 撮影 ................ 岩佐一泉
- 音楽 ................ 多忠修
- 美術 ................ 中村公彦
- 録音 ................ 橋本文雄
- 照明 ................ 藤林甲
- 編集 ................ 鈴木晄
- スチール ................ 斎藤耕一
- 主題歌:鷲と鷹(正式名:海の男は行く)
歌唱:石原裕次郎
作詞:井上梅次
作曲:萩原忠司
/1958年 テイチク シングル盤「嵐を呼ぶ男/鷲と鷹」に収録
- 千吉 ................ 石原裕次郎
- 佐々木(刑事) ................ 三国連太郎
- 明子 ................ 浅丘ルリ子
- 朱実 ................ 月丘夢路
- 吾郎 ................ 長門裕之
- 鬼鮫 ................ 二本柳寛
- おやじ ................ 沢村国太郎
- おっかぁ ................ 柳沢真一
- 彦兵衛 ................ 西村晃
- 松 ................ 安部徹
- 由 ................ 木戸新太郎
- 辰 ................ 青木富夫
- 健(失恋男) ................ 穂高渓介
- 宮沢 ................ 弘松三郎
- 三造 ................ 小林重四郎
- 捜査主任 ................ 河上信夫
- サイパンのおやじ ................ 天草四郎
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