非常識刑法講座

事案

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2020/05/22 asahi 「弁当に髪」女性店員を丸刈り 暴行疑いで店長ら逮捕  弁当を売った客から「髪の毛が混入している」と苦情を受けたことに腹を立て、同僚の女性店員(25)の頭を無理やり丸刈りにしたとして、香川県警高松南署は21日、高松市内の弁当店の店長ら2人を暴行と脅迫の疑いで逮捕し、発表した。  2人は、店長の中條久美子(53)=高松市木太町=、店員の河野裕子(35)=同市林町=両容疑者。  署によると、2人は共謀し、客から苦情を受けたアルバイト店員の女性に対して、4月20日に「髪きれ言われたら はいだけいうとけ」「おどれ いうこときかんのか」とスマートフォンでメッセージを送ったり、店内で「髪、坊主にしな」と言ったりして脅迫。河野容疑者が女性の頭を段ボールの中に押し込み、はさみで丸刈りにした疑いがある。  容疑について中條容疑者は「脅迫は知らない。(丸刈りに)したところは見ていない」と否認し、河野容疑者は認めているという。

2019/03/25 山口県の県立高校で、クラスの生徒40人全員とその保護者39人が、担任の解雇を求める嘆願書を提出した。3月25日、NHKが報じた。報道によると、高校1年の男子生徒が昨年10月、「髪が長い」という理由からバリカンで頭を丸刈りにさせられたほか、授業中に暴言を浴びせられたという。

傷害罪

刑法204条

15年以下の懲役又は50万円以下の罰金

傷害の意義

「傷害」とはどのような行為を意味するのかについて、身体の完全性を害することであるとする説(完全性毀損説)と、生理機能や健康状態を害することであるとする説(生理機能障害説)が対立している。

両説は、生理機能障害説が人の生理機能を害するような場合に限定するべきだとするのに対し、完全性毀損説が生理機能の障害はもとより、身体の外貌に重大な変化を生じさせたような場合にも傷害とするべきであるとする点で異なっている。具体的なケースでは、人の毛髪を切った場合に、完全性毀損説では傷害となり、生理機能障害説では傷害とならないという違いがある。 判例には女性の頭髪を根元から切った事件に関して、直ちに健康状態の悪化をもたらすものではないと述べて傷害罪を否定し暴行罪の成立を認めたものがある(大判明治45年6月20日刑録18輯896頁)。

暴行によらない傷害

ふつう傷害の事件では、暴行によって生じるが、暴行によらない無形力の傷害が生じる事件も発生している。

裁判所が肯定した判例としては、

嫌がらせ電話をかけ続けて精神を衰弱させた事件(東京地方裁判所・昭和54年8月10日・判時943号122頁)

性病を感染させた事件(大判・明治44年4月28日・刑録17輯712頁)


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Last-modified: 2020-05-24 (日) 00:00:00