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三匹が斬る!

『三匹が斬る!』(さんびきがきる)は、テレビ朝日系で放送された時代劇シリーズ。1987年から1995年まで7作が、2002年にリニューアル版が放送された。

別々の行動をしながら旅をする3人の浪人が、違う経緯ながら毎回ひとつの事件で偶然集まり、最後は協力して悪党を斬り捨てる痛快時代劇。

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三匹が斬る!(三匹が斬る!(1))

豪放磊落な「殿様」、正義感あふれる「千石」、お調子者の「たこ」。個性豊かな3人の素浪人が、時に助け合い、時にぶつかりあいながら、流浪の旅先に蔓延る悪を、正義の刃でたたっ斬る!勧善懲悪の痛快時代劇。【以上、テレ朝チャンネル広報資料より引用】第5回「空っ風可愛い女の恨み文字」と第10回「湯の里は地鳴り剣鳴り腹も鳴る」は一部地上波・BS放送での再放送ではオンエアされないことがある。最終回は拡大版。各回のサブタイトルは以下のとおり。第1回「十萬両!ここが名代の浮世風呂」、第2回「花一輪 雨も上がるか中仙道」、第3回「仇討ちの乙女も愛でよ秋花火(「愛」にルビ「め」が付く)」、第4回「赤トンボ 花嫁行列通りゃんせ」、第5回「空っ風可愛い女の恨み文字」、第6回「鬼と呼ぶ男に惚れて薄化粧」、第7回「勇み肌男はご法度女人里(「法度」にルビ「はっと」が付く)」、第8回「父恋の凧空に舞い草枕」、第9回「十手旅 義賊が吹いたシャボン玉」、第10回「湯の里は地鳴り剣鳴り腹も鳴る」、第11回「大逆転 絹街道の美女と悪い奴(「絹街道」にルビ「シルクロード」が付く)」、第12回「信濃路は鯉や鯉やで恋わずらい」、第13回「冬椿越すに越されぬ女郎坂」、第14回「まぼろしの母を訪ねて地獄旅」、第15回「信玄の亡霊見たかおしゃれ鳥」、第16回「二人妻討つか討たぬか蒸発侍」、第17回「人妻の涙甘いかしょっぱいか」、第18回「父と娘の生き血を絞るにせ大名(「娘」にルビ「こ」が付く)」、第19回「春一番!旗本三悪人ころし節(「節」にルビ「ぶし」が付く)」、第20回「かごで行く噂の名医は吸血鬼」、最終回(第21回)「さらば三匹!満開の悪の花咲く京の都大路」。協力:東映京都俳優養成所(7)-(21)、国宝 彦根城(3)(8)(17)、京都 大覚寺(3)(6)(8)(9)(12)(15)(17)(19)-(21)。

シリーズ

第1シリーズ『三匹が斬る!』 放送日:1987年10月22日 - 1988年3月31日、全21話 三匹:矢坂平四郎、久慈慎之介、燕陣内

第2シリーズ『続・三匹が斬る!』 1988年12月1日 - 1989年5月11日、全18話 三匹:矢坂平四郎、久慈慎之介、燕陣内

第3シリーズ『続続・三匹が斬る!』 1990年1月4日 - 1990年6月28日、全19話 三匹:矢坂平四郎、久慈慎之介、燕陣内

第4シリーズ『また又・三匹が斬る!』 1991年4月11日 - 1991年10月24日、全21話 三匹:矢坂平四郎、久慈慎之介、燕陣内

第5シリーズ『新・三匹が斬る!』 1992年7月9日 - 1993年2月25日、全22話 三匹:矢坂平四郎、久慈慎之介、燕陣内

第6シリーズ「ニュー・三匹が斬る!」 放送日:1993年12月23日 - 1994年6月2日、全17話 三匹:矢坂平四郎、燕陣内、吉良右近

第7シリーズ『痛快・三匹が斬る!』 放送日:1995年4月6日 - 1995年8月31日、全19話 三匹:久慈慎之介、燕陣内、吉良右近

登場人物

矢坂 平四郎(やさか へいしろう):高橋英樹 通称「殿様」。豪放磊落な性格の素浪人。温かい人柄で、さる大名の次男坊ではないかと思われている[1] が、三匹の中で唯一正体不明である。共に旅をする面々が殿様と呼ぶことに抵抗がない様子。いかなるときでも冷静沈着、かつ大胆な決断力を持つ三匹のリーダー格。間宮林蔵と瓜二つだったことで、騒動に巻き込まれたこともあった。女性と子どもに弱く、逃げ回ることもしばしばであるが、正義感は三匹の中で最も強く、力及ばずに弱き者が悪人の謀略で命を落としてしまった場合は怒りの度合いが増し、悪人を斬り倒す際には千石より荒々しくなることも多い。 小野派一刀流や神道無念流(第2シリーズ)の使い手で、愛刀堀川国広の豪快な太刀裁きで悪党を斬り倒し、刀身をぬぐった懐紙を舞い散らせるなかで、鯉口を鳴らして刀を納めるのが定番。 第7シリーズの冒頭で、さらに大きな夢を求めてメリケンに渡る。また、第7シリーズの放送中に高橋が日本テレビ系の時代劇『江戸の用心棒』に出演していたため、これを受けて燕が「殿様今頃何やってるのかなぁ…」と呟くと、久慈が「江戸で用心棒でもやってんじゃないのか」と応えるというシーンがあった。 服装は基本的に着流しであるが、第1シリーズ第1話など、最初期の頃には袴を穿いていることもあった[2]。

久慈 慎之介(くじ しんのすけ):役所広司 通称「千石」。大藩に禄高千石で仕官する夢を持つ素浪人。普段は商家や武家の雇われ用心棒として生活している。薩摩国出身の九州男児らしく、曲がったことの大嫌いな性格。しかし、筋金入りの蛇嫌い。旅先で出会う女性達との恋愛も多いが、その大半は悲恋に終わっている。当初は矢坂と対立する描写が多々あったが、後に心を許す間柄となる。 示現流の使い手だが、切り結んでいる最中に相手の脇差を奪って突くなどの手段も絡め、三匹の中では最も荒々しく豪快に悪人を斬り倒す。色恋沙汰が絡んだ場合は荒々しさが増す。悪を斬り倒した後、袴で刀を拭く。愛刀は実戦刀で名高い同田貫。 第3シリーズの最終回で、実は先祖代々の職と自称する公儀隠密であることが判明する。杜撰な報告ぶりが災いして、長崎の地で、あえなくお役御免となるが、本人は公儀を抜けて素浪人となることを喜んでいる。第6シリーズの初回スペシャルで念願の仕官の道が決まるものの、主君のために友人を斬ってしまい、かねてから憧れていた侍としての生き方に疑問を持ち始める。その後、自分を見つめ直すため、第6シリーズでは初回スペシャルのみ登場で、以後は一人旅に出ている(第6シリーズ放映中に役所がフジテレビ系の時代劇『八丁堀捕物ばなし』とNHKの大河ドラマ『花の乱』に出演していたため)。そして第7シリーズの初回スペシャル冒頭において再び江戸に戻り、平四郎がメリケンに旅立った後、三匹のリーダー格となる。

燕 陣内(つばくろ じんない):春風亭小朝 通称「たこ」(蛸)。旅先で怪しげな珍商売を思いついては、その調子の良さを武器にテキ屋商売を続ける素浪人。ただし客を逃してしまうことが多い。また、それら商売をヒロインたちに助けられることも多々ある。三匹の中のムードメーカー。「たこ」の由来は、第1シリーズ第1話での三匹の出逢いの際に「蛸の吸出し薬」を売っていたことによる。 両槍先の仕込み槍、縄、釣り竿、短筒(4連発ペッパーボックスピストル)など様々な武器を使う。戦闘中も殿様や千石に比べて怒りの描写はなく、三匹の中では情よりもどちらかというと金銭面を重要視しているように見られがちであるが、逃亡しようとする悪人の前に必ず立ち塞がるなど、悪人を許さぬ気持ちは負けていない。 第1シリーズ第16話で仇討ちの助太刀をする際に「燕陣内、32歳。」と名乗るシーンがある。 実は甲賀忍者の末裔であり、さらに第1シリーズの最終回において京都町奉行・板倉内膳正であることを明かし、町奉行職に復帰する。しかし、旅暮らしの気楽さが忘れられず、あっさりと町奉行の職を捨て、矢坂達と共に旅を続ける。 第5シリーズの最終回でお庭番にして鳥居甲斐守の娘である小百合姫(樹木希林)から逃げ遅れて捕まり結婚することになり息子の陣之介が生まれた。 第6シリーズからは陣之介を連れて旅をするようになった。

吉良 右近(きら うこん):近藤真彦 通称「千両」(第6シリーズ)、「若殿」(第7シリーズ)。第6シリーズの初回スペシャルで初登場し新たに三匹に加わる若き素浪人。当初は江戸の高級料亭・八尾膳の借金の取立てをするため「千両」と名乗るが、第7シリーズからは「若殿」と名乗る(久慈は当初吉良を「右近」と呼んでいたが、しばしば「こ」と「ん」を入れ違えて呼んでしまうため、「若大将」「青大将」「若殿」のうちのどれで呼ばれるのがいいか尋ねたところ、吉良が「若殿」を選んだ)。もっとも劇中で「若殿」と呼ばれることは稀で、久慈からは「右近」、陣内からは「若」と呼ばれる場合がほとんどだった。 剣術は一通りの流派を会得しており、構えは「千両」と名乗っていた頃は逆手、「若殿」と名乗るようになってからは正眼。また、毎回の殺陣の際に相手の動きを読むため、必ず「お主、流派は何だ?」(「お主、何流を使う?」と言うことも)と問いかけてから、相手と同じ流派を使って斬り倒すのが定番であるのだが、聞いたことのないようなマイナーな流派や我流の使い手は苦手で、しばしば苦戦するようなこともある。 吉良上野介の子孫である(1702年の赤穂浪士討ち入り後は御家断絶となっていたが1732年に上野介の弟である東条義叔の孫である吉良義孚の代に御家再興された)が、幕臣が嫌になり、素浪人となった。以後、仕官の道が叶った久慈と入れ替わるように、三匹の仲間となる。第6シリーズでは久慈を模した姿をしているが、第7シリーズで矢坂がメリケンに旅立った後は、矢坂を意識したのか着流し姿に変わり、太刀捌きも一新されている。

お恵:杉田かおる 第1シリーズに登場。江戸・深川の風呂屋の娘だったが、ある事件で祖父が悪人に殺されたことをきっかけに、三匹に同行する。三匹達を軽くあしらう強かな性格。特に陣内とは息が合い、掛け合い漫才の様な展開を見せる。第1シリーズの最終回で、三匹達と別れ、京都で味の修行を続ける。第2シリーズの最終回で江戸に戻って居酒屋を開いている。

お千:藤代美奈子 第2シリーズに登場。京都の田舎町の庄屋の娘で、織物師になる夢を持っている。ある事件をきっかけに、旅を続けていた三匹たちと出会い、一行に加わる。武芸百般に通じており、三匹の手足となり、情報収集を行う。第2シリーズの最終回で、笠間藩主の異父妹・千鶴姫という正体が判明する。正体を明かした後は、笠間藩の家老の悪事を、三匹たちと共に防いで藩に戻り結婚する。

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お蝶:長山洋子 第3〜第5シリーズと第6シリーズの第1話に登場。蝶のように突如として現れ、矢坂に言い寄る神出鬼没かつ正体不明の娘。当初は「揚羽のお蝶」という名の女スリだったが、三匹達との出会いから足を洗い、以後は同行者として、共に旅を続けた。また、そのスリの技術を使って重要文章を盗むなど、かなり重要な役目を受けることも多い。第4シリーズでは、女流作家を目指し、旅の道中で起こる三匹たちの活躍を書き記していく。これがきっかけとなり、絵草紙本を出版、人気作家となる。第5シリーズでは、版元から続編を依頼され旅に出るが、道中で三匹たちと再会する。女・十返舎一九を自称し、以後三匹に同行する。第5シリーズの最終回において、棋士になると言って三匹たちに別れを告げるが、第6シリーズの第1話で三匹が江戸に戻った際には元の戯作者に戻っている。

お軽:島崎和歌子 第6シリーズで登場する女道中師。三匹とは宿場町で知り合う。陣内をライバル視しており、旅先で彼の前に現れては、商売客を奪っていく。天涯孤独の身の上らしく、陣内のいやらしい問いかけも全く意に介さない気風の良さを持つ。小ずるさでは陣内の上を行き、三匹の周りに付きまとっている。

お涼:桂木麻智 第7シリーズで登場する甲府出身の農家の娘。世の中のことをもっと知りたいと、陣内の弟子となった上に三匹の同行者となる。陣内のことを「師匠」と呼び、インチキ商売の片棒を担いだり、幼い陣之介の世話をしたりしている。

陣之介:田中祐介 第5シリーズの最終回で結婚した陣内と小百合姫との間に誕生した子供で、当初久慈に惚れていた小百合姫が、久慈の名前である「慎之介」にあやかって名付けた。まだ幼く、何も分からない年頃(第6シリーズの第1話の段階で2歳)ではあるが、父である陣内の商売を手伝うこともある。なお、陣之介を演じた田中祐介は、制作を担当した田中憲吾プロデューサーの息子である。 ナレーター:芥川隆行(第3シリーズまで)、浜村淳(第4-6シリーズ)、三木のり平(第7シリーズ) 浜村は第4シリーズで顔出しの出演もしている。


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Last-modified: 2021-12-15 (水) 03:27:00